3D制作を学ぶことで身に付く能力とは?

海外先進国では、既に3Dを取り入れた教育が始まってることをご存知でしょうか?
日本ではあまり聞き馴染みがない3D教育。
なぜ日本を除く海外先進国では、3Dの教育が始まっているのか疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

近年、3D技術の発展に伴って、3D技術が多くの業界で活用されるようになってきており、今後も3D技術が使用される可能性が大いにあることから、教育に力を入れている海外先進国では、すでに公教育の授業に取り入れられているのです。

この記事では、小学生が3D制作を学ぶことで身に付く能力を考え、そのメリットや活用されている業界、3D制作を学ぶ際のポイントを紹介します。

3Dを制作する過程で身に付く能力とは?

今回の記事では代表的なものとして、3D制作を学ぶことで身に付く能力を3つご紹介します。

1.空間認識能力


3Dを制作する上で、物体の形状や配置を理解し、それをデジタル空間に表現する必要があります。

さまざまな角度から観察し、頭の中のイメージを3D空間に描く必要があるため、自然と空間認識能力が育まれるとされおり、この空間認識能力はスポーツを行う上においても、重要な能力のひとつと言われています。

空間認識能力は、立体を捉える能力で、幅広い業界で役立つ能力です。 製品のデザインや設計、航空宇宙業界、ゲーム業界、建築業界などこれら以外の業界でも空間認識能力は非常に重要であり、子供たちがこの能力を身に付けることで将来的に活躍するチャンスが広がります。

2.創造力


創造力とは、独自のアイデアや新しいものを生み出す力のことを指します。

私たちの日常生活の中で、家具の配置や料理のレシピなど、さまざまな場面で創造力が求められます。 特に子供たちにとって、創造力は新しい発見や自己表現の手段として大切な役割を果たします。

3D制作では、子供たちは自分の好きなものや興味を持っているものを自由にデザインできるため、オリジナルのキャラクターや、実際には存在しない未来の乗り物などを作ることができ、子供たちの自由な発想を促し、無限の可能性を追求することが可能なのです。

創造力は、アートやデザイン業界で必要な能力では?と思う方も多いかもしれませんが、デザインだけでなく「新しいアイデア」や「出会ったことがない、答えのない問題を解決する」ことも、創造力が必要なのです。 そのため、高い創造力をもった人はどんな分野でも活躍できるチャンスが広がります。

3.論理的思考力


理論的思考力とは、物事を論理的に考える力のことで、問題解決や意思決定に役立つとされています。

3D制作では、物体を立体的にデザインするために、その構造や形状を理解する必要があります。子供たちは、物体のパーツや組み立て方を考えることで、構造的な思考力が養われます。

みらいのおねんど教室で3D制作を行う際には、最終的な目標をカリキュラムごとに設定し、授業を行なっていくため、計画力も自然と身につけることが可能です。

空間認識能力は、立体を捉える能力が高い状態になるため、幅広い業界で役立つ能力です。製品のデザインや設計、航空宇宙業界、ゲーム業界、建築業界などこれら以外の業界でも空間認識能力は非常に重要であり、子供がこの能力を身に付けることで将来的に活躍するチャンスが広がります。

3D技術が使われている業界

3D技術が使われているところはどこ?と聞かれた際、みなさまが連想するのは「映画やゲーム」などを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

実はこれら以外にも「たくさんの業界・業種」で3D技術が使われていますので、その代表的な業界をご紹介します。

映画・アニメーション業界


3Dアニメーション技術を使用して、リアルな映像表現や立体的なキャラクターを作成します。

ゲーム業界


3Dグラフィックスを活用し、没入感のあるゲーム環境やリアルなキャラクターデザインを提供します。

建築・土木業界


3Dモデリングやシミュレーションを用いて、建築物やインフラの設計・構造解析を行います。

医療業界


3Dプリント技術を用いて、人工臓器やプロテーゼの作成、また3D画像診断技術を使った病気の診断が行われています。

製造業界


3Dプリントを活用し、製品のプロトタイプ作成や小ロット生産が可能になっています。 自動車業界: 3D技術を用いて、車体のデザインや安全性評価を行うことで、開発効率と安全性の向上が図られています。

航空宇宙業界


3Dモデリングやシミュレーション技術を使って、航空機や宇宙機器の設計や試験が行われています。

ファッション業界


3Dデザインソフトウェアを用いて、立体的な衣服のデザインや試着が可能になっています。

広告・マーケティング業界


3D技術を用いたビジュアル表現で、インパクトのある広告やプロモーションが作成されています。

教育業界


3D技術を活用した教材やシミュレーションで、実践的な学習体験が提供されています。

上記の例はあくまでも一例にすぎず、さまざまな業界で3D技術が使用されており、私たちが生活する身の回りの多くのどこかに必ずといっていいほど、3D技術が使われています。

将来はこんな業界でも

上記以外にも、3D技術は活用されるシーンや業界が増えていく技術のひとつと言われています。
下記にその一例をご紹介します。

食品業界


3Dプリント技術を活用して、カスタマイズされた食品の製造が行えるようになります。既にフード3Dプリンターというものも存在し実用化されています。

バイオテクノロジー業界


3Dプリントを用いた細胞培養や組織工学の進展により、より効率的な治療法や新たな医療技術の開発がされる可能性があります。

環境保護・リサイクル業界


3Dプリント技術を用いて、廃棄物をリサイクルした製品の開発や、環境に優しいアップサイクル商品など開発が進む可能性があります。

観光業界


3D映像技術やVR技術を活用したメタバースやバーチャルツアーが増え、旅行体験の多様化やアクセシビリティの向上が期待されています。

3Dを学ぶことができるソフト

これほどまでに3D技術が普及していながら、子供が3D制作を学べるソフトは実は多くありません。プロが使用する多くのソフトは利用するだけでも多額のコストがかかってしまうものが多くあります。その中でも子供でも学びやすい3D制作ソフトをいくつかご紹介します。

Teinkercad

Tinkercadは、子供や初心者でも簡単に使える、オンライン上で利用できる3Dモデリングソフトウェアです。誰でも手軽に3Dデザインや3Dプリント用のモデルを作成することができます。

Tinkercadは、ブラウザ上で動作するため、特別なソフトウェアをダウンロードする必要がありません。 基本的な形状を組み合わせるだけで、簡易な3Dモデルを作成することができます。

ZBrush

ZBrushは、プロのアーティストやデザイナーにも人気のある3Dモデリングソフトウェアです。

特に精密なディテールやリアルな質感を表現するのに優れており、映画やゲーム業界、医療、フィギュア制作などで広い業界で使用されています。

ZBrushは、陶芸や彫刻のような感覚で3Dモデルを作成できるため、子供たちにとっても直感的で楽しい操作が可能です。

手で触れるような自然な表現を楽しみながら、子供たちもリアルなキャラクターや物体をデザインできます。

blender

Blenderは、無料で利用できるオープンソースの3Dモデリングソフトウェアです。

このソフトは、3Dモデリングだけでなく、アニメーション制作、テクスチャリング、レンダリング、映像編集など、さまざまな機能を一つにまとめた多機能なツールです。

Blenderは、子供からプロのアーティストまで幅広い層に利用されています。

子供たちは、Blenderを使ってオリジナルのキャラクターやオブジェクトを作成し、アニメーションを制作することができます。

さらに、Blenderは世界中で利用されているため、子供たちが学んだスキルは、将来、映画やゲーム業界、建築業界など多岐にわたる分野で活躍できる可能性を秘めています。

3D制作を学ぶ方法

独学で学ぶ


独学での学習方法は初心者向けに販売されている書籍やYoutubeなどで、適した動画から学ぶ方法が考えられます。学習意欲が高い場合には、独学で学ぶことも有効な手段です。

【メリット】

1.自分のペースで学べる: 好きな時間に、自分に合ったスピードで学習ができます。

2.好奇心が養われる: 自分で調べて学ぶことで、主体性や自立心が育ちます。

【デメリット】

1.教えてもらえる人がいない: 分からないことがあってもすぐに質問できず、モチベーションが下がり 学習をやめてしまうなんてことも。

2.誤った学習方法で学んでしまう: 現在学んでいる内容や方法が正しいかどうか判断ができない状態で学習してしまうため、誤った方法を学んでいることも。本来先に学んでおくと効率良く学べるものに気付かないまま学習してしまう可能性があります。

3.仲間との交流が得られない: 同じ目標を持った仲間と情報交換する機会が減るため、新しいアイデアを得ることが難しくなります。

4.3D制作するためのパソコンが必要:3D制作を学ぶ上で、通常グラフィックボードを搭載したパソコンを購入する必要があります。グラフィックボードを搭載したパソコンは比較的高額になり、初期購入費が必要です。

動画教材で学ぶ

動画教材を販売しているサイトや、動画教材を使用したキッズスクールに通う方法もあります。

【メリット】

1.月額利用料が安い(または買切り):スクールに通うよりも安価な金額で学ぶことが多い場合が多い。

2.繰り返し学習できる:動画教材の場合、つまづきポイントがあれば、前に戻り繰り返し学習することができます。

【デメリット】

1.質問がしにくい: 分からない事や悩みがあってもすぐに回答を得ることができず、チャットなどで後日回答する場合が多い。

2.モチベーションが保てない:基本的に一人で学習することになるため、独学に近い感覚になります。そのため、自分でモチベーションをコントロールする必要があります。

スクールで学ぶ


3Dやデザインを専門としたスクールを探して通う方法もおすすめです。大人向けのスクールや、学生向けのスクール、子供向けのスクールなど、さまざまなスクールが存在します。

【メリット】

1.専門家から学べる: 経験豊富な先生から直接指導を受けられるので、質問や悩みにもすぐに対応してもらえます。

2.効率的な学習: カリキュラムに沿って進められるため、効率的に知識や技術を身につけられます。

3.仲間との交流: 同じ目的を持った子供たちと切磋琢磨し、新しいアイデアや技術を共有しながら制作できるため、新しい発見や気づきを得ることができるでしょう。

4.機材を用意する必要がない:多くのスクールでは3D制作を学ぶためのパソコンなどを用意しているため、ご自身での用意は不要です。(持ち込みやレンタルの場合もあり)

【デメリット】

1.月謝がかかる: スクールに通うための費用がかかります。

2.授業のスケジュールに合わない場合がある、また送迎の必要があるなどの負担がかかることも。

スクールでの学習は専門家から学べ効率的な学習、仲間との交流が魅力ですが、月謝がかかる点がデメリットに感じられる場合があります。

まとめ

子供が3D制作を学ぶことは、創造力や空間認識能力、理論的思考力など、さまざまなスキルを身につけることが可能です。
これらのスキルは、将来役立つ職種や業界で大変重要です。
さらに、学習方法によっては、自分のペースで学ぶことや、専門家から直接指導を受けることもできます。

しかし、独学、スクール、動画教材など、それぞれの学習方法にはメリットとデメリットがあります。
自分の子供に合った学習スタイルを見つけ、コストや時間の制約も考慮して、最適な方法で3D制作を選択してください。
将来的には、子供たちの創造力やスキルが社会に大きなインパクトを与えることができるでしょう。

目次